現物出資 |
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現物出資とは、会社の株式を取得するときに、金銭で出資をするのではなく、 物品によって出資をことを言います。会社設立の場合に、この現物出資がで きるのは、発起人だけです(34条)。 現物出資を行う場合には、取得する株式の価値に見合う出資であることを確 認するために、裁判所の任命する検査役の検査が必要になるのが原則です。 但し、500万円以下の財産の場合、市場価格のある有価証券を市場価格を 超えない価額で出資する場合、弁護士や不動産鑑定士の鑑定評価など専門家 による適正な評価が与えられている財産の出資の場合は、検査役の調査は不 要です(33条10項1号、207条9項5号)。 このように手続きを必要としているのは、資本充実の原則のためです。例え ば2000万円の価値の土地を、3000万円と評価して現物出資したとし ます。そして金銭で3000万円出資した者と同じだけの株式を引き受けた とすると、これは当然不平等です。また会社債権者からしてみれば、あるは ずの財産がないことになり、会社債権者を害します。このような事態になら ないようにしているのです。なお、現物出資を履行すべき者がきちんと履行 しなかった場合には、株主となる権利を失います。出資された財産に不足額 があるときは、取締役などが填補責任を負うことになります。 無断転載・転送を禁じます。 Copyright(C)2006 ゴトウ All Rights Reserved. |