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表見支配人





表見支配人とは、包括的な代理権を与えられていない商業使用人のうち、本店又は 支店の営業の主任者である肩書を与えられた者を言います(24条)。

本来支配人は包括的な代理権を与えられ、商人のために活動をしています。ですか ら主任者の肩書を与えられた者は、取引の相手方からしてみれば、この人は支配人 であると考えるものです。しかしそれにもかかわらず、本店又は支店の営業の主任 者である肩書を与えられた者が、支配人として選任された者でなかった場合、取引 の相手方にしてみれば、不測の損害を被るおそれがあります。つまりいちいち目の 前の人がホントに支配人かどうかを調べなければ、安心して取引をなすことが出来 ないことになってしまいます。これでは取引をなすのに、時間がかかってしまいま す。

そこで法は、表見支配人制度を設け、本店又は支店の営業の主任者である肩書を信 頼した相手方を保護しているのです。

当該主任者が表見支配人に該当し、相手方が保護されるためには、いくつかの要件 を満たす必要があります。

まず、本店又は支店が、その実質を備えている必要があります。次に営業の主任者 である名称が存在していることが必要です。例えば、銀行の支店の支店長といった 名称が挙げられます。さらに商人本人の帰責事由として、営業の主任者であるかの ような名称を商人が付与していることが必要です。そして、取引の相手方の信頼が 必要です(24条但書)。相手方が、当該主任者が包括的な代理権を与えられてい ないことを知っているような悪意の場合には、相手方を保護する必要がないのです。

表見支配人に該当した場合、表見支配人の権限は当該営業所の営業に関し、一切の 裁判外の行為をする権限を有するものとみなされます。裁判上の行為をする権限は ないので、間違えないで下さい。



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