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場屋営業



場屋営業は「じょうおくえいぎょう」と読みます。「ばや」でもなければ、「ばお く」でもありません。場屋営業とは、客の来集を目的とする場所での営業をいいま す(502条7合、594条)。例えばレストランやホテル、旅館等がその代表例 です。ここで気をつけておきたいのが理髪店です。学説では場屋営業に該当すると するのが通説ですが、古い判例では否定しています(大判昭12.11.26)。

このような場屋営業の場合には、場屋の主人が客から何らかの物品を預かることが あります。客より物品を預かった後、もしその物品が滅失したり毀損したりした 場合には、それらの滅失又は毀損につき、不可抗力によることを証明できなければ 損害賠償の責任を免れません(594条1項)。

また、客が特に預けることなく場屋中に携帯した物品が、場屋の主人又はその使用 人の不注意によって滅失又は毀損したときは、場屋の主人は損害賠償の責任を負い ます(594条2項)。 いくら預けていないからといって、場屋内のことについて 主人又はその使用人に不注意があるならば、責任を負いなさいということです。


客の携帯品について責任を負わない旨を告示したときであっても、場屋の主人は 594条1項2項の損害賠償責任を免れることはできません(594条3項)。もし 免れるとすると、主人や使用人に不注意がある場合でも損害賠償責任を負わない ことになってしまいます。そのようなことは認められないということです。

貨幣、有価証券その他の高価品については、客がその種類及び価額を明告して これを場屋の主人に預けたものでなければ、その場屋の主人はその物品の滅失又は 毀損によって生じた損害を賠償する責任を負いません(595条)。高価品であると わかっていれば、場屋の主人だってそれなりに注意したはずです。なので、客と してもきちんと種類及び価額を明告してこれを場屋の主人に預けなさいということ です。



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