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株式譲渡自由の原則



株式会社においては、株主は会社に対して自己の出資の払戻を請求することは、 原則として認められていません。これは、株式会社においては、会社財産だけが 会社債権者に対する責任財産となることから、株主に出資の払戻を認めると、 会社債権者を害することになるからです。

なので、株主に出資の払戻を認めていないのです。

しかし、では株主は投下資本の回収の手段がないのかというと、そうではあり ません。出資の払戻を認めていない代わりに、株式の譲渡を認めているのです。 つまり株主は、所有する株式を譲渡することによって、投下資本の回収をする ことができるのです。また株式会社は社員の個性が重視されず、会社にしてみ れば出資さえしてもらえればよいわけですので、誰が株主となるかは大きな問 題ではありません。なので、会社としても株式譲渡を認めても問題ないわけで す。

これが株式譲渡自由の原則であり、それが認められる理由です。


株式譲渡自由が認められるとしても、それを制限することも可能です。

いわゆる三ちゃん企業のような会社では、誰が株主であるかが大きな問題です。 つまり株主の個性が重視されてきます。このような会社のために、定款で、株 式を譲渡する場合には会社の承認を要する旨を定めることができます。これが 株式譲渡制限です。

また、子会社は、その親会社の株式を取得することはできません。なので子会 社は、親会社の株式の買主になることは出来ません。買い手となることができ ないという限度において、株式譲渡の自由が制限されているということです。


また、正確には株式の譲渡ではありませんが、株主名簿の整備や株券発行事務 の滞るのを防ぐため、会社成立前または新株発行前の株式引受人の地位(権利 株)を譲渡したとしても、そのことを会社に対して対抗できません(35条、 50条2項、63条2項、208条4項)。


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