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支配人





この支配人は、行政書士試験においても過去問で出題されている箇所ですし、学 問的にも重要なところです。しっかり勉強しましょう。

支配人とは、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を する権限を有する商業使用人です(21条1項)。

商人が商売をやろうとするときに、商人が一人で全てのことをやろうとするのは、 なかなか難しいです。それは商売が大きくなろうとすればするほど、無理が出て きます。換言すれば、大きくしようとすればするほど、自分の代わりに行動して くれる人が必要となってきます。そこで商人の代わりに行動してくれる人として、 支配人が登場するのです。

この支配人を選任するのは商人であり、商人と支配人との間の関係は、委任の要 素と雇用の要素を含んでいるとされています。

支配人が有する「一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限」のことを、包括的 代理権と言います。この「包括的」というのは、種類又は事項を制限されないこ とを言います。支配人であれば、この包括的な代理権を有しているものとされま すので、支配人の代理権に制限を加えても、善意の第三者に対抗することは出来 ません(21条3項)。ですので、取引をしようとする相手方にしてみれば、い ちいち支配人の代理権の範囲について気にする必要はないということです。

このように支配人には、広範な権限が認められています。広範な権限が認められ ているということは、逆に言えば商人の利益を害することも容易に出来るという ことです。しかし、それでは商人はたまったものではありません。そこで法は、 支配人に競業避止義務を課し、商人の利益を守ろうとしています(23条1項)。 競業避止義務を支配人に課すことにより、支配人は商人の営業の部類に属する取 引を自己または第三者のためになすことを禁じられています。

さらに、支配人には競業避止義務だけでなく、精力分散防止義務も課されていま す。ですから支配人は、商人が営業の部類に属する取引を自己又は第三者のため にすることを禁じられているばかりでなく、営業することや、会社の取締役、執 行役又は業務を執行する社員となることも禁じられています。したがって、例え ば電気会社に勤める支配人が、仕事を終わった後に、自宅でラーメン屋を営業す ることは出来ないことになります。



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